「紅麴」サプリ事件の深層 を読んで 世界6月号より

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(サプリも)少し整理しなくちゃ
と言うくらい、その人はずいぶんたくさんのサプリメントを飲んでいたようだ。
いかにも効きそうなキャッチコピーや体験談が、テレビなどのメディアにあふれんばかりに紹介される。

ついこの間、紅麹由来のサプリメントによるものと思われる健康被害がニュースになった。
まだ因果関係は明らかになっていないようだが、小林製薬が販売したサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を実際飲んでいた人のなかから死亡例まで出ている。

そもそも「紅麹」から強力なコレステロール抑制物質を発見したのは日本の科学者だという。
このカビの一種から「スタチン系」の薬が開発されている。
私も術後、総コレステロール値が基準値を超えてしまい、内科医から「リバロ」という医薬品を処方された。
医師も薬の服用には慎重、あるいは懐疑的なタイプだったが、服用後ただちにコレステロールト値が低下したので、そのまま続けることになった。
私の場合、運動量が元に戻れば、数値は改善されると思われた。

血液データの微妙な変化に一喜一憂するのは、まんまと医療ビジネスのカモになっているようで、あまりいい気はしない。
血圧の基準値がそのよい例ではないだろうか。
半世紀以上前、血圧の基準値は「年齢プラス90」だった。
それが今、140になった。
(2024年4月から、収縮期160拡張期140にまた改変されている)
かかりつけ医は、厚労省のおえらいさんが決めることだからね、と言う。
また「常識を疑え」と、巷に流布する言説に即座に疑問を呈する医師もいる。

血圧などの数値には当然個人差があり、日々の体調の変化に従い変動する。
個人的には疲労時の方が、血圧が高くなるような気がする。
元気を回復しようとする、ホメオスタシスの働きの一環なのだろうか。

今回問題となった「機能性表示食品」いわゆる「トクホ」であり、医薬品ではない。
医薬品には厳密な介入試験が必要だが、トクホの規制はゆるい。
そこで製薬会社以外の企業も参入しやすい。

健康食品の分野も、アベノミクスの規制緩和の方針にならい、消費者の健康より企業の利潤追求が優先される。
個人責任という強迫により、消費者は野放図な広告の渦の中で孤立している。
ポリティクスと資本の力が大手を振ってまかり通り、いつの間にか健康な生活が阻害される。
生命に直結する分野ではなおさら、厳しい規制が必要なのは言うまでもない。

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