となりのトトロの病院へ 近況報告を兼ねて

東村山の白十字病院に行く。
通いなれた病院だが、現住所からはあまりに遠いので、病院を変える算段をした。
これでしばらくはこの病院とも縁遠くなるのだろうか。

R子さんが、迎えに来てくれる。
若葉のやわらかな緑と樹々の花々が新しく開通した道の背景を彩っている。
街路樹のハナミズキの白い花が目に眩しい。
八重桜のピンク、ツツジの赤、モッコウバラの黄、…etc.
急速に夏へと向かう自然が、次々と重なるように花を咲かせ、緑のグラデーションを織り上げてゆく。

向かう先は「となりのトトロ」のおかあさんが入院していた病院のモデルだといわれている。
八国山の中腹にあるその病院は、昔サナトリウムだった。
聞いたことのない鳥が囀り、玄関の横道をさらに上ると、八国山の尾根道に通じる。
春は雑木の新緑を、秋は紅葉を、そして冬枯れの風景のなかを歩くことが出来る。

売店で、入院中お世話になったPTの先生にばったり。
コロナの影響で、一旦は職場を離れた彼女も、居心地の良さが忘れられず、復帰したものとみえた。
その間にもう一人子をもうけたという。
つやつやと張りのある肌と、相変わらずよく通る声が、幸せのオーラを発散している。
たまたまその日、私の計測を担当することになっているのが彼女だという。
離職されたままもう会えないと思っていた私は驚くとともに、何となく幸先が良いような気がしたのだった。

長い廊下をたどり、懐かしいリハビリ室に向かう。
日のさんさんと差し込むリハビリ室は、変わることなく静かにゆったりと時が流れていた。
この病院では、職員一人一人に心の余裕が感じられる。
たっぷりと時間をとって、筋力、関節の可動域など面倒な計測を次々にこなしてゆく。
「○○さん、バックウォークはしないでね」
帰り際に彼女が言った。
(やはり1時間のバックウォークは乱暴かしら)

病院帰りに手打ちそばの店「一喜」に寄った。
ここの蕎麦には、季節の食材を使った、揚げたてのサクサク天ぷらがたっぷりつくので、それを目当てに来ることもあるくらいだ。
美味しいものを食べると元気がでるね、
悲しいニュースが多すぎるので
R子さんと、しみじみ語り合うのは、ていねいに調理された食事のこと
その幸せに感謝しつつ、蕎麦湯を3杯頂いた。

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