続・セカンドオピニオンを求めて

(リハビリとして、一日)1時間バックウォークすべし。
これが日産厚生会玉川病院股関節センターのM先生の言葉だった。
外歩きもやっと、という患者にとってこれは酷、というより不可能だ。
セカンドオピニオンを求めて、股関節の手術を年間740例実施しているという玉川病院を訪れた日のことだった。

今回は再診である。
手術した多摩総合医療センターより発行された診療情報提供書(紹介状を兼ねる)を持参した。
前回は、同病院に情報開示請求を行って、電子カルテの記録をコピーしたCD-ROMを受け取り、その資料を提出したのだったが、2枚のCD-ROMのうち1枚は空っぽだった。
やはり医師から医師への紹介状でなければ、医事課の仕事も事務的になりがちだろう。
そう考え、M先生が要求する画像データを含め、今度は正式な紹介状を求めることにして、再請求を行ったのだった。

M先生は、他の医師が行った手術結果については多くを語らなかった。
断層写真を確認し、横になった私の脚を引っ張っては、股関節の動きを確かめた。
左右の脚長は同じだが、立位をとった時、左側が少し短くなる。
「100円ショップにあるよ」
と言って、足底板を靴のかかと部分に入れた。
歩いてみると、気のせいか歩行姿勢が改善されるような気がした。
資料請求とその受け取りのために何度も病院に足を運んだ。
ようやくここに至ったのだが、手術はすでに終わっているので、何故最初から当病院にショートカットしなかったのか、といまだに悔やむことがある。
(長い話になるので、こちらの経緯は省く)

運動器の不調なので、そもそも長距離の通院に苦労する。
手術をする高度医療の専門病院とリハビリを行う慢性期の病院を、完全に分離してしまう、今の医療制度に疑問を感じた。
院内とは違い、その2院の間での連携は脆弱なものにならざるを得ない。

診察のたびにレントゲン撮影をするので、私の場合入院中の断層写真の撮影量は膨大になった。
「おくすり手帳」の一部に、被ばく量の記録を残し、診療時の参考に供しては、と言う友人がいるが、大賛成である。
術後のCTスキャンはやむを得ないが、漫然と診察のたびにレントゲンを撮るのはどうかと思う。
明らかに不必要な場合がある。

医師の働き方改革だけでなく、同時に患者の聞く権利の保証にも力を入れるべきだと思う。
患者の方は、自分の症状を説明するコミュニケーション能力が問われるだろう。

難しい手術だったので執刀医の苦労は並大抵のものではなかったと思う。
それでも納得のいく結果が得られなかった原因はいくつか考えられる。
一人の患者が愚痴って終わる問題ではないので、これからも追々取り上げてみたい。

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