執刀医の言葉

一口にセカンドオピニオンと言っても、なかなか難しい。
微妙な問題をはらんでいることは、経験者ならだれでも分かっていることだろう。
特にセカンドオピニオンを求めるケースは癌に多いようだ。

先日、悪性リンパ腫を舌癌と誤診された友人から、聞かされた話だ。
セカンドオピニオンを認めながら、いざ医療情報の提供となると、その作業があまりにものんびりしている。
気軽に承諾したようで実は、ほかの医師の診断をあおごうとする患者に不快感を覚えることもあるのではないだろうか。
医師とて人間だから、当然の感情かもしれない。

私の場合は股関節の手術で、すでに手術も終わっている。
術後の不調を訴えても、今の状態についてもうひとつ納得のゆく説明がなされない。
患者からすれば、実際に執刀した医師から、具体的で有効なアドバイスが欲しいだけなのだが。

悶々とした日々が続いた。
ついに、それはあり得ないだろう、と思い惑っていた私自身の考えを、紹介元の医師に相談した。
手術後の状態について、他の医師に診てもらおうというのである。
下手をすれば、双方の医師の面子をつぶすことにもなりかねないので、私としては諦めていた選択肢だった。
ところが、紹介元で現在の主治医は、「ああ、いいんじゃない」と、早速紹介状を書いてくれた。
私は主治医のお墨付きが得られたので、勇気づけられた。
(臓器別診療が主流となり、縦割りが目立つ医療の現場に風穴があくきっかけになるかもしれない…)

昨日、今度は執刀医を受診し
今まで言いにくかったことも聞いてもらった。
確かに、間違った手術ではなかったことを再確認し
今後も何か異常があれば、予約していなくてもすぐ受診できることを確約してもらえた。

巨大病院で高度医療を扱うといっても、横の連携は弱く、フットワークは重くなりがちだ。

といっても執刀医に、セカンドオピニオンを他院に求めることは伝えなかった。
文書課で、これまでの診療記録の情報開示請求を行った。
案ずるより産むが易し
電話ではらちの明かなかった問題がひとつだけ解決し、これからの筋道が少しだけ見通せるような気がした。

執刀医はその日も手術着姿だった。
予約は先まで埋まっているということだ。

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