明日は立秋 孤独なリハビリ

こんな地味で苦痛なだけの運動なんて、先生の掛け声なしにはできない。
PTにそう言いながら入院中は営々とこなしてきたリハビリのプログラム。
退院後自主的に行うようになったら、継続するための鍵はただひとつ。
わずかでも成果を実感できるかどうかにかかっている。
筋力さえつけば、今までのように楽に歩けるはず。
主治医も執刀医もPTもOTも、決しておざなりな励ましの言葉をかけようとはしなかった。
希望を繋げようと、あえて楽観的に考えていたのは、患者である私だけだったのかもしれない。
昨日、医療保険を使うリハビリを受けるために、関節の可動域、筋力等を調べた。
意外に筋力はある上、苛酷な手術にもかかわらず、可動域はまず確保されていた。
(執刀医なら言うだろう。そういう手術をちゃんとしたのだから、と)
執刀医の前で、すたすた歩いて見せることは、私の願いだ。
歩いて入院した娘が車椅子で帰ってきたら、老母がどんなに悲しむだろう・・・
執刀医にプレッシャーをかけるのは得策ではない、と肝に銘じながら、つい言ってしまった。
執刀医は並外れてプレッシャーに強い人だということを後になって聞いた。
周囲は、もうあまりのびしろはないだろう、と考えているようなのだ。
ホームの廊下をほとんど毎日、ノルマを決めて歩く。
手術が手術だったので、これ以上良くなることはあるまい。
そう考えることは私にはできなかった。
間違った手術はしていないという執刀医の言葉を信じて
これから1ミリでも進歩を実感できれば、地味なリハビリを続けていけるだろう。
※ 冒頭の写真は、スタッフが部屋まで届けてくれた「久寿餅」 ’22.8.5
「発酵倶楽部」というイベントで、和菓子唯一の発酵食品としてとりあげられた。
「久寿餅(くすもち)」は葛餅とはべつもので
小麦粉をグルテンと澱粉に分け、澱粉のみを湧き水で約400日間寝かせて発酵させてつくる。

料理長が八ヶ岳山麓で調達してきた野菜を揚げ浸しにした具で、素麵を頂きました。’22.8.4
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