ホームの日常

世界中から異常な猛暑のニュースが届く。
ホーム内にとどまる限り、節電に努めねばならないにしても、今のところ高温多湿に苦しめられることはない。
朝7時半、窓を開けると、今日一日の湿度の高さを告げるような空気を感じた。
けれど、デッキで食事をとることにする。
スタッフが早速クッションンをセットし、パラソルを掲げてくれた。
このパラソルはちょっと重いので、非力な女性に頼む時は、少々気が引ける。
外で朝ごはんを食べるのは、最高に気持ちが良い。
4階で、骨折したご主人の介護をしている奥様が、お膳を取りに来て
「いいわね~」
と、うらやましそうにおっしゃった。
今年は特に新しい竹が空を突くように、にょきにょきと伸びて、一段と勢力を広げたように見える。
緑のカーテンは、自然の目隠しともなり、さやさやと、葉擦れの音が耳に心地よい。
朝食後は、ラジオ体操をしたり、歌をうたったり、の朝会が開かれるが参加は自由だ。
こうして、入居者それぞれの一日がはじまる。
会社に出勤する人、犬の散歩出かけるに出かける人、ウォーキングに出る人、・・・
最初は、こじんまりしたホームなので、人間関係が難しいのではないかという心配もあったけれど、杞憂に終わった。
お互いを気遣いながらも、適度にソーシャル・ディスタンスが保たれている。
長い入院生活を経た後では、隣人の思いやりがことさら身にしみた。

’22.7.9

アンスリウムのアレンジ ロビーにて
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