元首相の死を悼む

安倍晋三の評価は分かれるところだ。
いずれ歴史が判定を下すことになるのだろう。
リーダーシップと求心力で政界を束ね、自民党の大黒柱であったことは確かなようだ。
死者をむち打つことを避けるのは道義なので、今のところ元首相の死に対する悔みとテロリストへの批判が言論の中心を占めている。

最初ニュースに接した時、正直、なぜ安倍晋三が、と思った。
テロリストの凶弾の的になる政治家とは考えていなかったせいもあり、また銃社会ゆえの犯罪が多発するアメリカなどでなく、この日本で起きたことに少なからずショックを受けたからだ。

拉致被害者の救済にかかわるようになった頃は、柔和な表情から「タカ派」であることがにわかには信じられなかったものだ。
岸信介の孫にあたることは周知の事実であったが、そのお坊ちゃま然とした風貌からはその後の、ことに当たっての強硬姿勢や言い逃れは想像できなかった。
華麗なる政治家一族のプリンスなのだ。
すべて育ちから由来する政治観だったろう。
上から目線は、宿命だったと思う。
批判の矢面に立たされた事件の数々は、元首相にとって些末な出来事に過ぎなかったに違いない。

野党各党がひとしなみに「言論封殺」の一語をもって、テロリストの行為を糾弾したのも印象に残った。
全くみながみな、この同じ言葉を使って、民主主義への挑戦ととらえ、まるで鬼の首をとったかのような口吻だった。
「忖度」される政治家としてマスコミの言論を統制する姿勢をみせたのも元首相ではなかっただろうか。
マスコミの方にも問題があったのだけれど。

潰瘍性大腸炎を患いながら、総理総裁という重責を担った。
かつて総裁選に敗れた石破茂は、総理という立場の重さと孤独について語っていた。
一閣僚なら「総理どうしましょう」と裁断を仰ぐことができても、総理にはそれができない。

曽祖父の岸信介が戦犯に問われ、巣鴨プリズンに収監されていた時、日本人すべてが打ちひしがれていたなかで、すでに戦後の日本をどう復興させようか策を練っていたというから、敵ながらあっぱれ、というべきか。
そのDNAは安倍晋三にも受け継がれていたのか。
歴史の女神はどのような評価を下すことになるだろうか。
まずは参院選への影響をみてみたい。

Comments

[ウリ坊]

空さん、お久しぶりです。
両親や叔母等の世話に追われ、すっかりご無沙汰しているうちに、空さんはご入院等、大変だったご様子。お元気になられ、ブログも復活されてなによりです。
ところで、先日、ウェブリブログが終了すると連絡があり、びっくりです。
空さんは、ブログのお引っ越しをなさいますか？
折角、ブログ友達（？）になれたので、もし、よろしければ、ウリ坊のブログのプロフィール欄に空さんへのアクセス方法（LINE等？）をお知らせ頂けませんか？！（もちろん、気乗りされなかったら全然、結構です）。
ウリ坊も、老人達の世話で、なかなか返信できないかと思いますが、ご容赦下さい。よろしくお願いします(^_^)v

[空]

ウリ坊さん、ありがとうございます。
お返事が遅れたこと、どうぞお許しください。
ウリ坊さんはご家族のお世話で大変なご様子。
どうぞストレスをためないようにお願いします。

ブログは続けていきたいので、引越しは考えていますが、どうも億劫で・・・
ウリ坊さんとの連絡方法、LINEは良いアイデアですね。
近いうちに連絡させて頂きます。