クリスマス・ディナー ホームでイブを迎える

メニュー表を眺めながら、やはりクリスマス・ディナーに間に合うよう帰ろうと思った。
ホーム料理長十八番のフレンチを逃すのは残念な気がしたからだ。
例年だったら、忘年会など会食の多い季節。
人と会うのに食事を共にすることがいかに多いか、新型コロナによって改めて痛感する。
ホームでの内輪の食事会なら安心だ。
料理長は栄養士がつくる献立から解放されて、メニューを思案し、腕によりをかけたに違いない。
クリスマスほど料理人にとってやりがいのある行事はないだろう。
クリスマスケーキというハイライトで締めるディナーは、春を待つ華やいだ食の祭典である。
七面鳥を焼いた昔を思い出した。
紀伊国屋で購入した七面鳥を、冷え切った廊下の片隅で、二昼夜かけて解凍する。
脂がなくヘルシーだが、特段美味しいというわけでもない七面鳥。
内臓や栗、木の実やドライフルーツを詰めて焼くと、これがまた充実の一品となる。
香ばしそうに焼けた表面の色とその物量が、歓声を誘う。
取り分ける時もまた楽しい、こけおどしの一皿である。
そんな追想に耽りながら、料理長のあいさつの後、一皿ずつ供されるお料理を頂いた。
テーブルの配置も工夫され、互いに向き合いながらも、寡黙に粛々と食べることになった。
食への感謝を込めた、静かなクリスマスイブである。
丁寧なお給仕もあたたかく、ありがたく、記憶に残る晩餐だった。
※ 冒頭の写真はパネトーネ
酵母はイタリアから空輸されたものだとか

鯛のポワレ
「ポワレって何ですか?」とY氏。
下味をつけた肉や魚を、適量の油でカリッと焼く調理法のことで
高温で短時間に焼くのが基本だそうだ。


ドラセナ、トルコキキョウ(ワインレッド)、モミの木、エリンジウム、ハラン、オンシジウム
12月18日に活けかえられたもの

葉ボタン、ユーカリ、レッドウイローの枝、カーネーション、ワックスフラワー、サルトリイバラ
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