食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術

今日の常識は明日の非常識
特に医療や栄養学の分野で、それまで信じていた健康法が新たな知見によってたちまち覆ってしまうのは、しばしば経験するところだ。
だから、健康法の類は、眉に唾して、冷やかし半分で読むことにする。
食べることを「投資」と捉え、著者の経歴からハーバードを副題に用いるのは、編集者のセンスだろう。
ハードワークに陥りがちなビジネスパーソンに、もっと働けとばかりのタイトルには抵抗を覚えるが、いくつか実際的なヒントをもらった。
粗食がよい、と言われたり、肉より魚、もっと昔は年取ったら肉食より菜食だと考えられていた。
老人ホームには、アンチエイジングに一方ならず熱心な人がいる。
「フレイル(虚弱)」という言葉をここへ来てはじめて知った筆者は、相当意識が低い、と言えよう。
川島四郎の「行軍食」に興味を覚え、専門学校時代に栄養学の講義を受けている母に、その内容を聞いたことがある。
日本軍の強さは蛮食にあり、というのがその主張だった。
彼の言うところは基本的に正しく、戦後も著作を発表している。
テレビを観ても、グルメ番組花盛り。
外国人からみると、日本人は食べることばっかり、と少々批判的だ。
兵隊を、戦闘における戦死ではなく、ほとんど餓死させた先の大戦を考えれば、平和だなあ、と思う。
(食べることに注視させるのは、有権者が政治に目を向けないようにするための、工作かもしれない)
とはいいながら、食べることが人生の最重要課題であることにかわりはない。
このホームの最高齢者Y氏は、奥様の介護をしながら、今もホームから出勤される現役だ。
未だ働いていることについて、食えないから、…と謙遜するY氏は特攻隊の生き残りである。
昨今の研究から炎症と寿命の関係が注目されるようになった。
リノール酸を多く含むサラダ油や肉食は、代謝されると炎症を起こすアラキドン酸に変わる。
トランス脂肪酸はHDLを減らしLDLを増やす。
(LDLが必ずしも”悪者”とばかりは言えないようだが)
加工品や高温調理された食品には、炎症の原因となり老化を促進する物質が含まれていることがある。
以上は今や常識なのだ。
チョコレートやコーヒーに抗炎症作用があることは初耳だった。
※ 食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術 満尾正 著
アチーブメント出版(’19.12)

8月26日の夕食は、うなぎの蒲焼、夏野菜の揚げ浸し、ごぼうの胡麻酢和え
糖質過剰かな、と思いながらも完食!
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