大礼拝堂コンサート 所沢聖地霊園にて

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ヴァイオリンの澄んだ音色が、四角推の頂点に向かって立ち上って行く。
弦が奏でる純一な、こんなに美しい音を聞くのは久しぶりのような気がした。

所沢聖地霊園の大礼拝堂でコンサートが開催されるのは、今回で8回目になるそうだ。
主催者側からの説明で、霊園が採算の取れる規模に達し、墓の名義人対象に無料のコンサートが開けるようになった、という話を聴いたことがある。
高齢社会は当然のことながら大量死の時代を迎えている。
首都圏の墓の需要が多いと同時にこれからは墓じまいをするケースも増えてくるのではないだろうか。
広い霊園には将来の需要に備え、共同墓地なども整備された。

各霊域を区切る柘植の生垣がきれいに刈り込まれて連続している。
遠くに見える雑木林のかたまりが、かつての狭山丘陵の面影をとどめ
山の見えない所沢の空は広く、高い。
狭山丘陵のなだらかな起伏に合わせてリニューアルされた管理事務所棟は2016年のグッドデザイン賞を受賞している。
屋根一面に芝生が植えられて、周囲の自然に溶け込む配慮がなされているのだ。

正面入口より大礼拝堂までサルビアの赤が続き、天を衝くケヤキの大木は色づきはじめた。
池原義郎が設計した大礼拝堂も1973年の建築学会賞を受賞している。
音響がよく、今回もヴァイオリンの高橋宗芳氏が、気持ちよく演奏できたことをうれしそうに語られた。
ヴァイオリンとピアノ、そしてソプラノの歌唱が加わった、アットホームなコンサートだった。
圧巻はやはり「ツィゴイネルワイゼン」
超絶テクニックでヴァイオリンを思う存分歌わせて、観客を酔わせた。
一瞬、ヴァイオリンにも人格があるような錯覚に陥った。
アンコールは「タイスの瞑想曲(メディテーション)」と「精霊の踊り」
どちらも聞き覚えのある広く知られた楽曲で、この礼拝堂で開かれるコンサートの特徴は、この親しみやすいプログラム編成にあると思う。

特にヴァイオリンの明澄な弦の震えに、同伴した友人ともども堪能させられたのでした。




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                                ’18.10.26

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