残暑お見舞い?

お元気ですか? 習慣的に思わず残暑見舞いという言葉が出ますが 二十四節気ではすでに白露。 太陰暦から太陽暦へ、さらに地球温暖化のせいで、「暦の上」と現実の季節がますますずれてきました。 気候変動というネガティブな要素が私たちの思考を停止させがち… 宇宙船地球号よ、どこへ行く ベランダのガラス戸を開けた…
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「15年後のラブソング」(2018)  ホームの上映会にて

ヒロインのアニーは、亡父から郷土史博物館を引き継いでいる。 (この建物が、イギリスの港町サンドクリフというところにあって、いい雰囲気) 共に暮らすパートナーのダンカンは、ロック歌手タッカー・クロウのファンで、彼のファンサイトを運営している。 タッカー・クロウは1993年以来、表舞台から姿を消し、伝説的な存在と化している。 この三…
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となりのトトロの病院で

今朝は、五時半で26℃。 これでも涼しい、と感じる今年の夏。 皆さま、いかがお過ごしですか? 一昨日、かかりつけの病院に行ってきました。 ここはジブリの「となりのトトロ」で七国山と称している八国山にある病院です。 「いいところだろう」 故主治医が満足そうに言っていたのを思い出します。 「となりのトト…
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酷暑お見舞い 近況報告がてらに

ただいま、実家におります。 お変わりなくお過ごしでしょうか? (災害級の酷暑、そんなわけはないと思いますが) こちらから通院する予定で、14日猛暑のさなか、帰ってきました。 タクシーの運転手は、冷房が効かない、と言いながら、途中雨が降り、 「すいません。温度上げてください」 結構冷えました。 外気温によって車内の冷房効…
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「ゼロ・グラビティ」

ホームの上映会で、2013年公開の「ゼロ・グラビティ」を観る。 スペースシャトルに宇宙ゴミが激突、破損し、乗組員が宇宙空間に放り出される。 死亡者は果てしない宇宙の藻屑となって未来永劫に漂流するだろう。 死と隣り合わせの宇宙空間で続発する困難を克服して、地球に帰還できたのはヒロインただ一人だけだ。 3D画像で…
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薬の供給 患者ファーストでお願いします

薬の在庫調整のため、今後常用していた薬が手に入らないかもしれない。 医師から告げられて、困惑している友人がいる。 同じ薬でも患者によって、合う、合わないがあるので、自分に合う薬を見つけるまで苦労する。 薬を変えるに当たっては、薬効と副作用を確認するために、また何度か通院せねばならないだろう。 ジェネリック(生物学的製剤の場合…
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家を去る時

夕食を終え、さあこれからは至福の時。 暮れなずむ街の灯を眺めながら すみれ色の夕景が次第に濃くなってゆくとともに 読書への集中度も上がってゆく… 何てことには、今夜はならなかった。 窓辺のテーブルの周囲に 一人また一人と女が集まってくると それも経験値の高い(年齢が高いだけではない!)女たちである。…
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数奇な運命をたどる「青い壺」

有吉佐和子といえば、「花岡青洲の妻」であり、「紀ノ川」であり、「複合汚染」だった。 特別に注目していた作家ではないので、世評に取り上げられるたびに、何となく読んでいた程度だ。 作家自身も自らを大衆小説作家と言わないまでも、ごく普通の読者層を想定していたようだ。 作家の資質や個性を語るエピソードとして、忘れられな…
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患者の孤独 医師の孤独

手術結果が思わしくなく悶々としていたところ、打開策を探るため、他院のセカンド・オピニオンを求めることにした。 セカンド・オピニオンについては、すでに手術は済んでいるので、有効な治療なりアドバイスが受けられるものか、あまり期待できないような気もしていた。 執刀医のプライドを損ねることなくスムーズに応じてもらえるかどうかも心配だった。 …
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死なれちゃったあとで

コロナ禍で通夜や告別式に親しい人も呼べず、十分な別れの儀式をできなかった無念の思いを抱えている人が少なからずいることだろう。 ホームのダイニングでいつも朝の挨拶を交わすKさん。 上は涼しげな淡色のブラウス、ボトムに黒のパンツスタイルだ。 神式のお葬式があるそうだ。 冠婚葬祭もコロナ以前にもどりつつあるのか… …
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私のナラティブ

私自身の物語を紡ぐということ。 それはどういうことなのだろうか、と思う。 どんな意味を持ち、現実の世界とどのように切り結んでいるのだろうか。 廣野由美子著「シンデレラはどこへ行ったのか―少女小説と『ジェイン・エア』」を読みながら これだけ多くの「少女小説」が、逆境にあるなしにかかわらず少女たちを励まし鼓舞する…
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自衛隊もまた靖国というナラティブを必要とするのか             世界8月号より

私にもナラティブが必要だ。 術後の不調等々、困難を乗り越えるために「ナラティブ」というメソッドが有効に思われていた時 「世界8月号」の記事に、タイトルの書評が目に留まった。 「ナラティブ」を自衛隊と靖国神社の関係を表すキーワードに使っている。 主に精神医療面で使われる場合に着目していたのだが、歴史学の上でも「…
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医師との付き合い方

もうあの先生から引き出せることはないのではないか、というのが友人の意見だった。 術後の仕上がりが思わしくなく、何度か手紙まで書いて苦境を訴えたけれど、明快な答えは返ってこなかった。 昨日はその執刀医の診察予約が入っていた。 多忙な医師の限られた診療時間内に、質問事項を要領よく聞きたださねばならない。 医師の専門分野、プライド…
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手術とリハビリ

「自分との闘いです」 と、リハビリの指導を受けている柔道整復師が言う。 手垢のついた言葉は、あまりに当たり前すぎて、虚しい。 この世に生きるだれでもが、意識すると意識しないとにかかわらず、日々「自分との闘い」に明け暮れているのだから。 術後、3年と2か月が経つが、リハビリの成果がみられない。 セカンド・オピニオンを求めて、…
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木曜の男 G.K.チェスタトン 吉田健一・訳

「木曜の男」を読んだ。 推理小説作家として知られるG.K.チェスタトンだが、唯一の長編推理小説とされる。 チェスタトンは、評論、小説、戯曲、詩、紀行、神学論、歴史などにわたる守備範囲の広い作家であり、推理小説はその一部に過ぎない。 そもそも小説をジャンルわけすること自体、無意味に思われる作品だった。 しかし、江戸…
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井上清子さんのこと

朝ドラの「虎に翼」を見るたびに、井上清子(せいこ)さんのことを思い出す。 井上清子先生と言うべきかもしれない。 たった3か月の短いお付き合いだったけれど。 大学卒業にあたって、就職先を探していた私は、希望の外資系製薬会社への就職を断念し、 弁理士事務所への方向転換を考えていた。 名前から女性であることは分かっていた。 …
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ホームでの上映会

ホームでは毎日、上映会が開かれる。 一か月ごとのプログラムがリーフレットで配られるので、観たい作品はチェックしておく。 5月26日は、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002) スティーブン・スピルバーグによるコメディで、ご覧になった方も多いだろう。 フランク・W・アバグネイル・Jrという、実在する詐欺師…
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ミステリーの人間学

これから一体何を信じて生きていけばよいのだろう・・・? 10代の若者を襲う困惑でも社会人一年生の戸惑いでもない。 これが初老の女の嘆きなのだから、さまにならない。 意地でも生き抜く気構えを示さなければならない時に、青臭い絶望感に取りつかれる。 ほんと!残りの人生に、わずかでも意味を見出そうとすれば、たちまち青…
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ミステリに魅せられて 世界推理短編傑作集6

「世界推理短編傑作集6」は、江戸川乱歩編の5巻に戸川安宣が加えた補遺としての最終巻である。 巻末の解説に、新訳が次々に登場するかげに、名訳が姿を消すのを惜しむ気持ちが述べられている。 訳者に対するリスペクトを表明した拾遺と言えよう。 時代の流れのなかで、新訳によって旧作が生まれ変わる。 作者はもちろんのことだ…
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「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件

  本記事を世界5月号と6月号誌上で読んだ。 「ALS嘱託殺人」は2019年11月に起きた事件で、当時大きな反響を呼んだ。 ALSという難病の酷さを知れば、それに同情する医師の犯行も善意と捉えられ兼ねない。 賛否両論あるだろう。 本記事は2024年3月に下された京都地裁判決を受けて書かれたものである。 医師…
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レベッカとは誰か?

女は決して自分の自然な姿を見せない。なぜならば女は、自然から生みつけられたままでも、きっと人から好かれるものだ、というふうに考えることのできる男ほどのうぬぼれがないからである。 ゲーテの言葉である。 うぬぼれがない、というより、今の言い方をすれば、自己肯定感の低さということになろうか。 しかし、この男女の違いを…
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オリーブオイル・セミナー  

週末に新緑フェスティバルと題して、コンサート、セミナーが開かれました。 ロビーの各ブースでは、花やドーナツ、革小物などの販売もあり 入居者のご家族や近隣の方たちも楽しまれていたようです。 11日、土曜日には、「異邦人」のヒットをとばした、久米小百合さんが来て、オリーブオイルについての講演が行われました。 久保…
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「紅麴」サプリ事件の深層 を読んで 世界6月号より

(サプリも)少し整理しなくちゃ と言うくらい、その人はずいぶんたくさんのサプリメントを飲んでいたようだ。 いかにも効きそうなキャッチコピーや体験談が、テレビなどのメディアにあふれんばかりに紹介される。 ついこの間、紅麹由来のサプリメントによるものと思われる健康被害がニュースになった。 まだ因果関係は明らかにな…
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事実と虚構の間 世界推理短編傑作集5

事実は小説より奇なり、というがさらに穿っていうと、事実は小説より冷酷だ、というべきだろう。 事実は悲劇に対して哀悼も捧げない。 ワールドニュースの切り取られた映像からでも十分それが分かる。 フィクションの世界は、最初から嘘と分かっているので罪がない。 推理小説の世界にたとえバイオレンスがさく裂していようと、こ…
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パサージュ論を読みながら19世紀末のパリを散歩する

本シリーズは、草稿のままに終わっており、引用の合間に著者自身の随想がちりばめられた、断想のモザイクのようなノートである。 引用は膨大で、探索していると、当時の交通などについて驚くような記述も散見され、時代相があらわになる。 パサージュの一言で、19世紀末の都市における、街路の目覚ましい発展と、それを促し、変容する…
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佐藤愛子がレポートした大阪万博1970

老年を描く、といえば武田泰淳の「目まいのする散歩」を思い出す。 もうすっかり忘れているのは、若い時に読んだせいだろう。 吉田兼好が、若い人、病なく身強き人を「友とするに悪きもの」として挙げている。 若い人、頑健な人は、溌溂としていて、友とするにも心強いはずだ。 それが物足りない、と感じるのは、年のせいだろう。 老いを経験しては…
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となりのトトロの病院へ 近況報告を兼ねて

東村山の白十字病院に行く。 通いなれた病院だが、現住所からはあまりに遠いので、病院を変える算段をした。 これでしばらくはこの病院とも縁遠くなるのだろうか。 R子さんが、迎えに来てくれる。 若葉のやわらかな緑と樹々の花々が新しく開通した道の背景を彩っている。 街路樹のハナミズキの白い花が目に眩しい。 八重桜のピンク、ツツジ…
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推理小説にもどってゆく 世界推理短編傑作集1

推理小説がなければ、世の中味気ないものだろうと思う。 娯楽であり、逃避先である。 自嘲的にいえば、何の役にも立たない読書であり、あるいはそれだからこそ甘い蜜の誘惑に満ちている。 本アンソロジーは、東京創元社が推理小説の分野に乗り出したときに、「世界推理小説全集」の短編部分を独立させて刊行したものである。 すで…
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続・セカンドオピニオンを求めて

(リハビリとして、一日)1時間バックウォークすべし。 これが日産厚生会玉川病院股関節センターのM先生の言葉だった。 外歩きもやっと、という患者にとってこれは酷、というより不可能だ。 セカンドオピニオンを求めて、股関節の手術を年間740例実施しているという玉川病院を訪れた日のことだった。 今回は再診である。 手術した多摩総合…
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知恵ある友 老人ホームの仲間たち

小規模の老人ホームで(実はこの言葉には抵抗がある)、個性的かつ思いやりに溢れた高齢者たちに出会った。 私ばかりでなく、その出会いを「勉強になった」ともらす人は少なくない。 人生経験をたくさん積んだ人がなお、他人から学ぼうとする心の余裕に打たれる。 昨日は「街道探索」というセミナーが開かれた。 座談の中心である講師…
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